路側帯だよ人生は

「被害者となるべきか…加害者となるべきか。それが問題だ」


あまり良いセリフじゃないので、ハムレットの三幕一場で独白される可能性は極めて低い。それでも最近この文句を発することが増えた。モノローグされるのはグローブ座の舞台ではなく、都道○号線とかの路上である。

いったい何のことを言ってる?


チャリンコ移動のとき、車道を走って轢かれるか、歩道を走って誰かを轢くか、という日常に潜む「進むも地獄、退くも地獄」的逡巡のことを言っております。

もっとも、自転車は車道を走るのが法的には正しい。

しかし、都心の交通量が異常な道をチャリンコで走って御覧なさい。あまりの怖さに、すべての倫理規範をかなぐり捨てて、思わず歩道を走りたくなるから。

猛スピードのトラックや幅寄せしてくるタクシーが怖いのは当然として、どういう訳だか亀裂や段差がすべて路側帯に集中、さらに動物の死体やバナナの皮まで落ちているマリオカート状態。まさに路側帯は人生の縮図のような状態になっているが、自転車が通行を許されているのはそこしかない。

結果、ちょっとした移動にも高度なチャリンコ捌きが要求される。

もうダメだと思ったことは一度や二度じゃない。家を出る時に遺書を書こうと思ったこともある。そもそも、こちらは競輪選手でもメッセンジャーでもない。自転車に関しては、どこに出しても恥ずかしくないド素人なのだ。

だったら乗らなきゃいいじゃねえかという話なのだが、昼下がりのキラー通りあたりをサイクルしている風情がハートカクテル10巻の表紙っぽくて好きで、ついついプロデューサー巻きでサドルに跨ってしまうのである。

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